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2017年11月18日(土)

岐阜・長野・京都三林大『伐木選手権』~競い・称え・育て~

2014年(平成26年)から始まった岐阜県立森林文化アカデミー、長野県林業大学校、京都府立林業大学校による三林大伐木選手権。この伐木選手権を機に、技術だけでなく、学生や教職員が末永く交流できるよう2015年には、三林大連携協定も締結しました。

 

 今回は16日~17日の2日間、京都府立林業大学校(以下、京都林大)の皆さんにお世話になって、京都林大がある和知地区とスチールの森京都で交流させてもらいました。

 

 開会式は私も尊敬する京都林大の只木良也校長先生のご発声でスタート。

 実は16日は「里山紀行」と称した、林業ゲームを三林大の学生がミックスされた3~4人のグループで実施。これはヨーロッパの林業学校が実施している競技会のようなもの。斜面傾斜や樹高、樹種、幹材積、水平距離、面積把握、年間搬出間伐面積を競い。なんと、本校の学生は1年生の山口くんや日下部くんが大活躍。

 

全員で約80人の三林大学生さん。2年生主体の協議会ですが、今回森林文化アカデミーからは1年生、日下部智一、宮本奏詩、山口祥平の3名も来年に備えて参加。

 

 

 二日目は快晴の中、伐木選手権の5競技(①チェーンソー早組み立て、②丸太の切合せ、③枝払い、④丸太の薄切り、⑤伐倒)について審判部長である京都林大の芦田先生が説明。

 学生たちの前では三林大の校旗が掲揚されています。

 

 

最初は①チェーンソー早組立(ソーチェーンの付け替え)です。各学校から2人の競技者が出て、合計6人がスピードを競いました。審査ポイントは時間、ソーチェーンの回転とたるみの無いこと、ネジの締め上げなどです。

 

森林文化アカデミーからは長谷くんと、中村くんが参加。

長谷くんは第2位の成績で、ペナルティなし。時間24秒でした。

 

 

 中村くんはペナルティ無しの33秒でしたが、全体の第3位の成績で、森林文化アカデミーは種目総合では1位でした。

 ちなみに個人の第1位は長野林大の中嶋くんで22秒でした。

 

 

 第2種目は②丸太の切り合わせ、この競技も各校2人の競技者が選抜され、森林文化アカデミーは後藤くんと佐名くんが参加。

 一回目は上から下へ「切り下げ」、次は下から上へ「切り上げ」、そして最後に、指定されたマーキングポイントで上からと下からの切り合わせを実施。

 

 

 二人目の佐名くんも慎重にチェーンソー操作し、ペナルティ無しの23秒で全体の2位で、森林文化アカデミーは種目総合で2位でした。なお1位は京都林大の西尾くんでした。

 

 

第三種目は③枝払いです。これには各校3人、合計9人の競技者がエントリーし、各方向に設置された枝を10本切り取ります。

 森林文化アカデミーからは根津くん、國藤くん、木藤くんが参加しました。國藤くんは31秒、ペナルティ無しで全体の1位でした。

 

 

 根津くんと木藤くんの健闘もあり、森林文化アカデミーは種目総合で1位でした。

 

 

 第四種目は④丸太の水平薄切りです。この競技は舞台を森林内に移し、各校2人の競技者が地面に設置された丸太を水平に薄切りします。森林文化アカデミーからは白鳥くんと福本くんが参加。

 今回の秘策は、その切断スタイルです。一般的なスタンスとは大きく異なりますが、この姿勢でチャレンジです。

 

 

 最初に白鳥くん、続いて福本くんが断面作成、しかし長野林大の原くんは4辺の合計厚さ16.3mmの1位、森林文化アカデミーは種目総合で2位でした。

 

 最後は⑤伐倒です。これは各校1人の伐倒競技者がヒノキを切り倒します。本校からは阿曽くんがチャレンジ。しかも全体の一番手。

 伐倒方向を決めたら50cm間隔に赤い杭を4本打ちます。その真ん中に規定時間内に伐倒すればよい。

 

 

 受け口、追い口を切ったら、フェリングレバーで倒し、あとは退避して倒れるのを見守るだけ。

 

 

 阿曽くんは緊張の中、見事に4本の杭のまん中に伐倒させることができました。素晴らしい。

 

 

 伐倒は阿曽君が1位となり、京都林大の只木校長先生から賞状と副賞を頂きました。

 

 

 さて、競技の総合では、岐阜県立森林文化アカデミーが2年ぶりに優勝したのです。優勝の証は『銀の斧』、これは2年前に卒業していった先輩たちが、後輩に託してくれた『樵』の称号です。

 

 

 そして競技が終われば、長野・京都・岐阜の三林大集合写真です。

最前列の校旗中央には左から京都林大の只木校長先生、長野林大の山口校長先生、そしてJIRIです。

 

 

 また森林文化アカデミーチームは優勝を記念しての集合写真。

2年生のうち17人、1年生のうち3人、そして杉本先生です。みんな、ご苦労様でした。長野や京都の仲間たちと、良い時間が過ごせました。

 

 

 さて、今回の競技に先立ち、只木先生が「この競技会は単に技術を競うことだけが目的でない。林業という同じ目標を持った者が交流することに意味がある」と言われたように、お互いが良い刺激を受けての競技会となりました。来年は岐阜県で開催しますので、みなさんお楽しみに。

 

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。